090510
今日からの休暇はとっても休暇らしい休暇になる筈だ。
前半はNYでライブ三昧、後半はタングルウッドのD氏の別荘におじゃましてのんびりと過ごす。
「よくNYに行くけど何で?何してんの?」と、それこそよく聞かれる。たいていライブを見るか美術館や街を見ているくらいで、そんなに精力的に動いていないし「NYが大好きなのッ!!」とかでも別段ない。ボストンから一番安く気軽に行ける街がNYなだけなのだ。ぜいたくな話だと思うけど。でもぜいたくな話だと思うからこそ今のうちに行っておこうかな、と。
今日からのライブ三昧、今日がブラッド・メルドー、月曜日にレス・ポール、火曜日にビル・フリゼール、水曜日にマーク・リボーという魅力的なラインナップ。
今日はブラッド・メルドーの前に飛び込みでブルーノートに行った。
ジェームス・カーター&フレンズ。
私はこの人知らなかったのだけど、テンション高くてホットな人だなぁというのが最初の印象だった。バックの”フレンズ”隊が鉄壁の土台を作っていてその上を自由に飛び跳ね、勢いだけはとにかくすごい!でも洗練とか官能とかの真逆に位置するような演奏なんだよな。
あと、この人にしか出せないようなきったない音のノイズがとても美しくて聞き惚れてしまった。しかもやりだしたらけっこう長い。
(この人は私が知らなかっただけでジャズ界ではとても有名な人です。知らなくて友人にひかれました。)
ブルーノートを出て屋台のタコスを食べ、そこから歩いて10分しないくらいでビレッジバンガード。そこには、まだ一時間前なのに長蛇の列が!!常連らしいおばさんが「こんなの見たことないわよ。」とびっくりしてた。それだけに期待も高まる。そのおばさんや前に並んでたNYの音大の男の子と話しつつ(とにかくアメリカで並んでると話しかけられる)待ちつつ中に入れつつ席についてしばらくすると隣の人に「アユミさん?」と呼ばれた。バークリー生のフルートのかずよちゃんだった。ヒョエー、ここで隣になるとは。
そしてついにブラッドメルドー登場。こんな小さい場所でこんな近くで聴けるなんて嬉しいなぁ。
ピアノ椅子に座って体を鍵盤の方に傾けてから音を奏ではじめる。
すごい、ブラッドメルドーだ!CDと一緒だ!
うっとり。
聴いてて思ったのだけど、この人はペダルを使わないうえに音が一音一音セパレートされていて、スタッカートでもレガートでもない、その絶妙なセパレート具合が音色の個性になっている。あたりまえだけどCDでも同じで今までずっと聴いてたはずなのに、実際に聴いてみてそれが分かった。
それに加えよく使うダイナミックレンジがピアノ(p)からメゾフォルテ(mf)くらいで、フォルテ以上の大きな音はほとんど出て来ない。さらに!左手より右手の方が音が小さい!!これにはびっくり。
ブラッドメルドーは舞台にあがってから一度もにこりともしなかった。ステージが終わってメンバー紹介をする以外一度もしゃべらなかった。そしてずぅーっと眉間にしわが寄っていた。
気難し屋さん?
BRAD MEHLDAU TRIO
Larry Grenadier-b, Jeff Ballard-d