2008年11月16日

11月のNY-part2

081116
昨日のNYはとても暑くてやっぱボストンとは違うなーなんて思ってたんだけど、たまたまだったみたいだ。今日は普通に寒い。
今日もセントラルパークで短いマラソンがあるらしく友部夫妻は友人の応援に出かけると言っていたので、マラソンの応援なんてやったことない私も行こうと思い地下鉄で72丁目の駅を目指した。42丁目から乗って2つ目、59丁目で乗り換え、次の駅が72丁目、先月も行ったダコダハウスがある駅だ。アメリカの地下鉄は時刻表がないしチョーテキトーに運行している。だから、やっと来た電車に乗り込んで電車路線図の前に座っているアメリカ人にいぶかしがられながら路線図をにらみ、これで大丈夫と腰を下ろして待つと、窓越しに72丁目を通過して行くのが見えた。さらに81丁目を通過して行くのが見え、あぁこの電車は急行または特急電車だったんだなと思った。ま、ありえることだ、慣れてないし、なんて思っていると更に86丁目も通過。まあ次くらいで停まるだろう、そしたら反対に乗り換えればなんとかなる。96丁目、103丁目、116丁目、一向に速度は緩まず、もう別にいいやと投げやりになる。そして125丁目でやっと停まった。ハーレム。さてしょうがない、反対のホームに行って電車を待つ。しばらくして来た電車に乗る。各停だったら72丁目で降りればいい、と思ったが走り出してすぐ電車の揺れと異常なスピードでまた特急だと悟った。あきらめる。結局また59丁目駅ふりだしに戻る。あせったりがっくりしたりはしない。だってアメリカだもの。乗り換えて今度こそローカル(各停)と書いてあるヤツに乗る。しかし次の駅で降りてみると66丁目だった、線が違った。もういい、歩いて行く。近いし。途中のデリでパンとビールを買ってセントラルパークに向かうが向かいからゼッケンをつけたランナーがどんどん歩いてくる。あ、もう終わってるかもな。案の定セントラルパークの中に入ってしばらく行くと『GOAL』と書かれた板を外している。時刻11:30。ここまで1時間半近くかかったのか。友部さんたちには会えなかったけど、しょうがない。途中のベンチでパンを食べ、ビールをこっそり飲み(アメリカの多くの州では公共の場で飲酒するのは禁止されているので紙袋に包んでやましい感じで飲む)60kmでも5kmでも、走るってどう言う気分なんだろうと想像する。最近マシンで走っても1分で吐きそうになる私からしては偉業である。

さて、セントラルパークを東に抜けホイットニー美術館を目指す。本当は今日はとある美術館に行こうと思っていたんだけど「今、ホイットニーは良いよ、行くべき」と強く友部夫妻に勧められたのでここともうひとつオススメの美術展に行くことにした。
Alexander CalderはHPでチェックするとカワイイ感じだったのでうーんどうなんだろうと思っていたのに、行って見てみたらとんでもない素晴らしい作品たちだった。針金を使った作品が中心。線を使って3次元で魅せる。角度でそして影で表現するというのはシンプルだからこそシビアな芸術であるはずだ。でもこの人はくそまじめに「楽しんで」作っているかのように感じた。映像も作品として展示されていたのだけど、にこりとも笑わずにお客さんに向かって作品を動かして遊んでみせる姿は職人っぽかった。この人いいなぁ。
他の展示もとても見ごたえがあった。2つあった写真展も面白かったし。その中のひとつは4帖くらいのスペースを作ってそこでライブで写真を撮るというもの。壁の端っこが20cmくらい空いていて入館者はそこから覗ける。実は作品はそんなにグッと来なかったのだけど、自分の世界を作っておいて人からも見られているかもしれない状況で作った作品がすぐに展示されるという、ライブな考えの美術作品というのはとても面白いと思った。
 地下鉄で14丁目で降り、初めて行く地域にある小さなギャラリーへ。沢田としきさんを知っているなら、となぜか黒田征太郎さんの個展を勧められた。どういうつながりなのかは聞き逃した!さて14丁目8AVの駅を降りて少し歩くと、42丁目あたりの喧噪を忘れてしまうようなセレブな空気、「今いちばんイケてるNY」な感じ。めちゃめちゃオシャレだけど先取りなだけに人も大挙していない、そんな空気を感じた。
そんな街にあるギャラリーで作品を見る。ゆっくりたくさん見れてよかった。そして黒田さんを知らなかったのに、これから知れるという機会を与えてくれた友部夫妻に感謝したい。色んなことが繋がっていく。望めばリンクが広がっていくのだ、ということを肌身で感じる。幸せな状況にいるなぁ。
PENN STATIONに行ってハタと思った。このめちゃ広いPENN STATIONで私の乗るバスの乗り場はどこなんだろう。とりあえず降りた場所に向かってみたい、しかしここはどこ?エンパイアステートビルがこっちに見えるからこっちか?あせりながら早足で歩く、すると見たことのある場所が。あ、ここが降り立った場所かな?たしかにMEGA BUSがいる!でもどれ?バスに乗るための列がたくさんできていてどれがどれだか分からない。「To Boston?」と色んな人に聞くが「分かんない。」という答え。分からなくて並んでんの?!ようやくバス会社っぽい人をみつけ「5:30のバス!」って言ったら、あれだよあれ、急いで!みたいな感じであせって乗ると残り二席で、座ると時間より前に出発した。とにかくアメリカでは色んなことが日本のようにいくと思ってはいけないということだ。
 本を読んで眠って、目を開けてしばらくすると遠くにPrudentialのビルが見えてくる。NYは刺激的だけどやっぱりボストンに戻るとなんだか安心する。でも今回も良い旅だった。
友部夫妻に感謝します。そしてまたお邪魔します!

Alexander Calder http://www.whitney.org/www/calder/images.jsp
http://www.youtube.com/watch?v=tZweBI0sjhU&feature=related
posted by ayumi at 00:00| 日記