081028
ボストンは朝から雨だった。11時からの授業に傘をさして行くが、いかんせん私の傘は折りたたみで小さい。チェロも濡れながら先を急いでいた。
教室のあるビルの下で、バイオリンの盲目の生徒がカッパを着て傘をさして、白い杖で道を探している様子だった。私は立ち止まったけどどうしてよいか分からず、授業が終わって帰るところかなと勝手に解釈をしてビルに入ってしまった。しかしクラスが始まって5分くらいしてから彼が廊下を通りかかった。ちょうどそれを目に留めた先生が「きみ、大丈夫?」と話しかける。「ロブのクラスはどこですか?」「右隣のドアだよ。」、彼は同じビルに向かっていたのだ。やっぱりあの時勇気を持って一言話しかければよかった。そしたら少しは雨に濡れる時間が少なくなったかもしれない。後悔の念が押し寄せる。こういうところが自分の弱いところなんだよな。今ここに書くくらいなら英語がしゃべれなくても、アーユーOK?でも話しかければよかったのに。ダメですね。もうちょっと本当の優しさを知りなさい。